東大寺境内万葉歌碑

わが背子とふたり見ませばいくばくか此の降る雪のうれしからまし
(万葉集巻八 1658)
| 「万葉集」に、「藤皇后」(藤原不比等の三女、光明皇后701〜760)が聖武天皇にたてまつった御歌とつたえます。「藤皇后」とは中国風の言い方、「わが背子」とは慕わしく呼ぶ和語の心。もし背の君といま一緒に見ているのだったら、この降る雪がどれ程うれしかったでしょうに。 養老律令では、後宮に妃二人、夫人三人、嬪四人と規定し、妃は立后すると皇后と呼ばれました。光明皇后は聖武と同じ年に生まれ、その皇太子の時に数え年16で妃、即位の時に大夫人となり、そして長屋王の変を経て、天平元年(729)に立后の勅あったことは「続日本書紀」に知られています。歌は、豊かさの兆しでもあろう雪に寄せて、とどこおりなく仮想して、宮廷風に歌います。 天平勝宝4年(752)、東大寺廬舎那佛(大佛)開眼、同8歳5月2日聖武崩後の77忌に、その遺愛のかずかずが光明皇太后から廬舎那佛に献じられました。すなわち、今日の正倉院宝物の中心です。皇后の願経、中国の古文を臨書した皇后の自筆、「藤三娘」の自署ものこり、その臨書の中には、「雲霏雪白」、雪の日に炉辺で一緒にお酒を飲みたい、と故旧を偲ぶ手紙の手本もありました。 |
本田義憲先生監修
(奈良市に万葉歌碑を建てる会専門委員・奈良女子大学名誉教授)
東大寺境内地
「奈良の大仏」さん、南大門の仁王さん、二月堂三月堂など、天平の昔が偲ばれる東大寺。
春のお水とりは大和に春をはこびます。
近鉄奈良駅から20分、大仏殿の屋根を目指して歩いてください。
万葉歌碑は、大仏殿の北側にあります。

東大寺境内
JR・近鉄奈良駅→
市内循環7分「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分(大仏殿北西側)
小倉遊亀画伯
これからの建立予定 |